『閃光のハサウェイ』原作小説を読んでみた!映画との違い・感想・新装版とどっちがオススメ?

『閃光のハサウェイ』原作小説を読んでみた!映画との違い・感想・オススメ 本と思考
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みなさんこんにちは!アニメや映画、小説などのレビューを行っている旅狼のレビュー小屋です!

CMで惹かれ、アレキサンドロスの主題歌で惹き込まれ、冒頭15分で見ることを決め、無事に沼った『閃光のハサウェイ』。すでにコチラの記事で映画の魅了を存分に語り、コチラの記事で続編について考察を巡らせたわけですが、、

今回の記事では『閃光のハサウェイ』の「原作小説」についてブックレビューしていきます! 3巻ある原作小説の感想や名言、オススメポイントはもちろん、映画との違いも語っていきます!

映画の第1部と第2部については内容に触れていきますが、まだ公開されていない第3部(小説では『下』にあたる部分)についてはネタバレしないようにお話ししていきます。映画を見て小説も気になっているという方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください!


原作小説の感想

『閃光のハサウェイ』 原作小説と映画について_感想

僕は映画を見た後に小説を読んだのですが、3巻すべてを読み終えた後の率直な感想は、、、

「とりあえず、映画の続編が楽しみだ!」

でしたね!

劇場3部作のうち、映画第1部のお話は原作小説の『上』、第2部は『中』の内容にあたります。映画を観ていたからなんとなくシーンの想像は文字からでもできましたが、いきなり小説を読んでいたら、ちょっと想像しにくかったかもとは正直感じましたね。

最初に思ったのは、思った以上にガンダム出てこないな、ってこと。笑

小説は、ハサウェイ、ケネス、ギギを中心に描いた人間模様、その舞台が宇宙世紀のガンダムの世界だった、みたいな感覚でした。ある意味では、”小説らしい”とも言えますね。

次に感じたのは、「句点」が多くて読みにくかったり、戦闘時の効果音がショボかったり、初版発行から30年以上経つのに誤字と思われる場所が直っていなかたりと、小説そのものの読みにくさです。これはAmazonのレビューにも結構あった点で、内容というよりは書き手に対する意見です。これもある意味、小説らしいレビューと言えるかも。笑

とは言っても、随所に出てきた「”生き方”への考え方」みたいなところはおもしろかったですし、最初に書いた通り、「これを映像化したら本当に楽しみだなぁ…!」とはしっかりと思わせてくれました。

基本的には、「ガンダムが好きな人のための外伝」という立ち位置だと個人的には感じます。「この小説3部作で、新規のファンを獲得しよう!」とかは考えていないのかな〜、と。笑笑


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原作小説と映画の違い

原作小説を読むことの醍醐味。それは、原作から映画になるにあたって変更されている部分がわかることですよね!

第1部の違い

第1部については「あ、こういう変え方なんだ〜」と意外と細かいところで改変が多かった印象でした。小説のセリフをより短く端的にしていたり、セリフ自体はあるが場面が違ったりという形が目立っていた気がします。

第1部の大きな変更は、冒頭のハウンゼンのシーンだったかなと。より効果的に、ぎゅっと凝縮されていました。

中でもギギの名台詞「やっちゃいなよ、そんな偽物なんか!」は、原作小説にあるセリフではなく、映画用に変更されたもの…! これが個人的にはBEST変更点だと思いますね! あと、偽マフティにカボチャを被せたのも大正解でした。笑笑

第2部『キルケーの魔女』の違い

映画第2部の『キルケーの魔女』も、基本的な展開は小説『中』の通りです。

『キルケーの魔女』と小説『中』の関係についても、「削るところは削り、付け足すところは付け足した」という印象です。映画らしいテンポの良い形にうまく収められていたように感じました。セリフは、想像していた以上に小説のものそのままになっている部分が多かったですね。

とはいえ、『キルケーの魔女』は「改変したところはガッツリ改変」になっているのが特徴ですね。

冒頭のヴァリアントのシーンは長くなっている

最初のヴァリアントのシーンは、映画の方がより長く尺が取られています。オエンベリへ出撃するまで、より多くのクルーたちが絡む形に改変されていました。これによって視聴者が状況を整理でき、「だからオエンベリに行かないといけないのね」「思ったよりハサウェイたちはカツカツなんだね」という現状が理解できるようになっていると感じました。

また、ハサウェイの心理状況が皆(視聴者たち)が思っているよりも酷い状況だととわかるようにもなっていましたし、ギギとの関係によってケリアとの関係が悪くなっていることが、より「言葉にしない形」で描かれているようにも感じました。このあたりはさすが、映画の良さといったところでしょうか。

逆に、「ハサウェイとケリアの出会い」「二人のここまでの関係のすれ違い」について、小説ではこの冒頭でガッツリ語られているのに対し、映画ではそれとなく描くに留まり、その分、中盤の回想シーンでガッツリと回収する流れる形になっています。

そして、この中盤以降は話の流れそのものが変更されているのが、映画第2部『キルケーの魔女』の特徴です。

ケリアの動き

ケリアがジュリアと共にヴァリアントを離れて陸側で動くことになったのは小説でも映画でも共通ですが、少なくとも小説では、映画のように「マフティーを離れる」という形では描かれていません。

映画ではかなり印象的な形でハサウェイとケリアの別れが描かれているので、ここは大きな改変と言って良いでしょう。

レーンの動き

ケリアの動き以上に大きな、そして『キルケーの魔女』最大の改編と言えるのが、レーンの動きです。

小説ではレーンのペーネロペーがヴァリアントを沈めたのに対し、映画では画面外でヴァリアント撃沈が語られたのに留まります。(一応、小説でもレーンが落としたこと自体はケネスの口から語られるに留まります。)

逆に、映画では、レーンはエアーズロックでアリュゼウスに乗ってハサウェイと交戦します。そしてこの戦闘の最中に、ハサウェイはアリュゼウスの武装が落ちた量産型μガンダムを目にしたことで、過去の記憶とアムロとの対話の世界に引き摺り込まれることになります。

ハサウェイの心理状況を描くための改編とも言えそうですが、レーンの立場としては、小説では「武勲を上げたパイロット」なのに対し、映画では「再びハサウェイ(Ξガンダム)に敗れたパイロット」ということになります。やったことといえば、また名言を作ったことくらいでしょうか。笑

これは結構大きな違いだと個人的には感じますので、この改編が最後の第3部にどのような影響を与えるのか、、、とても楽しみですね…!!

映画の方がギギがより特徴的に描かれている

他にも細かな変更はありますが、やはり映画は『キルケーの魔女』という副題であることもあってか、ギギの動きがより特徴的なものになっています。

香港の家でのシーンでは挿入歌が入った印象的なものになり、さらに、ハサウェイへ想いを募らせるようなシーンが加わっています。

また、ファビオたちのダーウィン基地襲撃のシーンは、小説では「ギギが空港にいることを嫌がったので早めに出発した」ということになっており、ギギとケネスが乗った軍用機は直接襲撃には合っていないのに対し(なので、描かれ方としては「もっと早くダーウィンを襲撃していればギギとケネスを落とすことができた」となっています)、映画では着陸寸前にギギが違和感を強く感じ、それを重く受け取ったケネスが緊急で着陸を注意する、という動きになっています。

この変更のおかげで、よりギギの特異体質が際立つ格好になっていますし、「”ギギのおかげで”襲撃を回避した(襲撃はうまくいったが、それ以上にギギの勘が上回った)」という小説とは違った印象を与えているように感じます。

最後のシーンでは、「Ξの外側でハサウェイに飛びついて乗り込む」というシーンそのものは同じですが、泣き腫らしたハサウェイを見てキスをするという大胆すぎる改変…!!

そして、小説ではその後のコックピットでのやり取りを経て『中』が終わるのに対し、映画ではこのキスで終了ということで、、、、おいおい、続きが気になるすぎるだろーー!!!


映画にハマったなら原作は読んだ方がいい!

ということで、『閃光のハサウェイ』に映画から入り面白いと思ったのなら、ぜひ原作小説を読んでほしいです!

大きな理由は2つ!

話が入りやすくなる

当たり前ですが、原作を読んだことでより話が入りやすくなりました。話の流れを知っているので、自分のイメージを映像で補完できるのですよね。

あとは、「メッサー」とか「ケッサリア」とか「グスタフカール」とか「ギャルセゾン」とか、機体の名前って、一回映画を見ただけだとわからなくないですか?笑

たびろう
たびろう

なんなら僕は、
一回では「クスィー」って
リスニングできなかったです。笑

人の名前も「あぁ、この人ね」「あの人ね!」となるので、物語に入り込んだ感覚がより大きくなりました。

キャラの感情変化を知れる

小説の良いところは、キャラクターの感情変化がしっかりと文字で書かれている点です。映像だと絵で見せていたり、あえて描いていなかったりしていますからね。

もちろん絵で見せる表現も良いのですが、やはり自分で考えた内容の答え合わせはしたいもの。それが原作小説を読むとわかるのです!

また、映画になるにあたって、小説の内容は全体的にカットされている部分が多いです。「実はこういう場面があったのか」「この時はこう思っていたのか」「これがこの後のアレに繋がるのか…」と、映画と原作とで内容を補完し合うことができるのです。

話の内容がより深まるので、『閃光のハサウェイ』ファンにとってこれ以上嬉しいことはないと思います!


『閃光のハサウェイ』 原作小説で好きなオススメ文章4選

『閃光のハサウェイ』 原作小説で好きなオススメ文章3選

せっかくなので、小説ならではの僕のお気に入りの場所を4つご紹介します!

情報能力の高さへの皮肉

情報収集能力の高さを信頼しすぎると、その情報収集作業にひっかからないケースは無視され、さらに、迅速に対応できる補給システムがあると信じると、現実にどのように対応できるシステムであるかという検討は、忘れられるのである。

2巻 p.36

SF世界で描かれそうな皮肉。

便利になりすぎると、人はそれに頼りすぎてしまう。そして、そうでなかった時代では起こらなかったミスや失敗が生まれる。こういう皮肉、結構好きなんですよね…!

人間の本質は変わらない

スペース・コロニーの密閉空間は、人間の理性を狭くしたかもしれないけど、それは、地球にいても同じだって感じたわ…

2巻 p.83

宇宙に出たことで人間は理性の”幅”を狭くしてしまったのかもしれない。それによって、戦争が起こったと考えるかもしれない。

でもそれはただの想像であり、人間の本性・本質は、どこで生きていたって変わらない。そんなことを言いたいのではないでしょうか。

完全福祉社会の堕落

 かつての時代にくらべて、極度にすくない人手によって、食料と居住空間と日常消費製品を産みだせるようになると、働く必要のない人を増殖させたが、それは、人に良い結果を与えなかった。
 完全福祉社会を実践した結果などから分かるとおり、人は、一生遊びながら、人生を十全に暮らすには、極度の才能と意思が必要だ、と理解されるようになった。
 無条件で平穏に暮らすためには、その人が、生来そのような暮らしができるおだやかな性格を有しているか、堅固な意思をもつ場合に限られている。
 そういうものがない場合、人は自堕落におちいった。

2巻 p.89

これもSF的な示唆が含まれています。

完全に面倒を見てもらって生活できるなら、人は働かない。

仕事をする理由は、お金を稼ぐためだ。お金を稼ぐ理由は、生きるためだ。生きることが保証されるなら、お金を稼ぐ必要はないし、なら働く必要もない。こうして人は、堕落していく。

これもまた皮肉ですね。

人は自らを労わり、便利さを追求するほど、退化してしまうかもしれない、ということですね。

大勢の趨勢について

 戦闘の局面は、ドラマのように長いことはないし、それでいて、その一瞬で決着がついて、その一瞬の結果が、彼我の局面を逆転させるのである。
 それは、ギャンブルのカードの目と同じことで、ハートのエースが出たということが、人の人生を狂わすのとおなじなのだ。
 大勢の推移とは、かかわりあいのがないような事態の決着が、大勢を支配し、人に生か死を強制する。

3巻 p.131

これはなんだか、個人的に学びを感じた部分でした。

一見なんの関わり合いもないものが、事態の趨勢を大きく変えてしまう、あるいは結末を決めてしまう。そんなことが、人生では容易に起こる。

確かに、人生というものは、思いもよらないことで、想像もできない結末を迎えることがあります。それに改めて気づかせてくれました。


『閃光のハサウェイ』 新装版とは?

原作小説『閃光のハサウェイ』新装版
画像引用:Amazon 小説 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(上) 新装版 (角川コミックス・エース)

実は『閃光のハサウェイ』の原作小説には、2種類あります。

一つは、角川スニーカー文庫から販売されている出版当時の文庫本。もう一つは、角川コミックス・エースから販売されている新装版です。

新装版は映画『閃光のハサウェイ』が公開するのに合わせて出版された大判の本です。

色々新しいものが付いているのか…! と思いきや、、

内容そのものはまさかの出版当時のものとまったく同じとのこと。。

気になっている人が多いであろう、句点の数や誤字も修正されていないらしいので、「大きな本で読みたい!」「新しい表紙が好き!」「コレクター根性だ!」といった人以外は、安く読める角川スニーカー文庫で良いと個人的には思います。笑


『閃光のハサウェイ』 原作小説について まとめ

『閃光のハサウェイ』原作小説を読んでみた!映画との違い・感想・こんな人にオススメ

ということで今回は、映画『閃光のハサウェイ』の原作小説についてご紹介してきました!

小説を読めばさらに『閃光のハサウェイ』にハマること間違いなし! 何より、より映画の続編が楽しみにもなりました!! 早くこのクオリティか、、それ以上で続きが観たい…!! 映画オリジナルの改変もどうなるかとても気になります!

みなさんも原作小説を読みつつ、第3部の公開を一緒に楽しみにして待ちましょう!

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小説『閃光のハサウェイ』はこんな人にオススメ!

・映画『閃光のハサウェイ』をみて原作に興味を持った人
・もともとガンダムシリーズのファンだった人

映画で”沼”にハマった人は、読んでみる価値はある!

こんな人は読まない方がいいかも…

・映画は観ていないけど、話題だから読んでみようと思っている人
・ロボット作品・宇宙作品の小説を読みたい人

個人的には、先に映画を見るのがオススメ。映画を見て「おもしろい!」ってなったら、原作にも手を出すべきだと思います!

また、今回の舞台は100%地球で、S F感はゼロです。(セリフ紹介はSFチックなものが多かったですが。笑)

ガンダムの戦闘もほとんどないですので、「ロボットもの」というわけでもないのが注意点です。


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