『11文字の檻』の感想・内容・特徴|青崎有吾さんの短編集はオススメ?

『11文字の檻』の感想・内容・特徴|青崎有吾さんの短編集はオススメ? ネタバレなしでブックレビュー!
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みなさんこんにちは! 小説などのレビューを行っている旅狼のレビュー小屋です!

今回は、青崎有吾さんの『11文字の檻』をご紹介していきます。

長編だけでなく、様々なところにアンソロジー作品の提供もしているという方。ジャケ買いしたこの一冊の感想や内容、特徴、オススメできる人について、ネタバレなしで語っていきます!


『11文字の檻』の内容と感想

青崎有吾『11文字の檻』の感想・内容・特徴・構成

まずは、『11文字の檻』の内容や構成、気になる感想についてお話ししていきます。

構成・内容・特徴

1冊に8つの物語が掲載された短編集です。タイトルにもなっている最後の『11文字の檻』のみこの一冊のために書き下ろされた作品で、他はすでに世に出ているものを収録した形になっています。

一つ一つの短編の長さに差があるのが特徴で、”中編”とも呼べる量のものもあれば、ショートショートレベルの数ページものもあります。

僕は青崎有吾さんの作品を初めて読んだのですが、現代の日常もの世の中の出来事を扱った作品があると思えば、推理ものがあったりSFチックな作品もあったりと、非常にバラエティに富んだ短編集でした。まさに”よりどりみどり”というかんじで、これを一人の作家さんがすべて書いているというのが、幅の広さを感じずにはいられません。

率直な感想

様々なジャンルの作品を読めるだけでなく、それぞれの作品が個性的なのもとても面白かったです! “ありそうでない”発想や世界観は、ここでしか味わうことができないものだと感じました。

個人的な話をすると、日本人の方の作品は久しぶりで、それもまたとても新鮮な感覚を味わうことにつながりました。

文章はとても読みやすく、それでいて非日常を描いていたり、テーマが通っている感じがしたり、キャラがとても魅力的であったりと、すごく好きな一冊になりました。


『11文字の檻』はこんな人にオススメ

青崎有吾『11文字の檻』の感想_こんな人にオススメ

ということで、『11文字の檻』はこんな人にオススメです!

・すこーしだけ癖がある作品に触れたい人

・一冊で色々な雰囲気や作風の物語を楽しみたい人


『11文字の檻』の名言や要約

青崎有吾『11文字の檻』の感想・オススメ・要約・名言

では、『11文字の檻』で個人的に気に入った名言、内容の要約をご紹介します。

「知りたい」と「見届けたい」の間にどんな違いがあるのか

「知りたい」と「見届けたい」の間にどんな違いがあるのか、植戸にはわからなかった。

p30(加速していく)

『加速していく』を読み終えた時、この違いを感じることができるのが面白い。

『your name』・『飽くまで』

この2作品は物語の視点がとても面白かった。それが、狂気に満ちているからなおさら。

言葉には力があると思うかね

「言葉には力があると思うかね」

「信仰には力があると思います。人の行動を規定しますから」

「言葉は信仰か。面白い視点だね。わしはもう、すっかり無神論者になってしまったよ」

p283(11文字の檻)

言葉の持つ力、言葉が信仰になり、それが力を持つという視点が面白い。そして、言葉の力を信じなくなった人間が、無神論者となっている、という表現も好き。


『11文字の檻』の基本情報

最後に、『11文字の檻』の基本情報をご紹介します。

【著者】
青崎有吾

【作品ジャンル】
短編集(ジャンル多数)

【出版】
創元推理文庫


まとめ

ということで、今回は青崎有吾さんの『11文字の檻』のブックレビューをお届けしてきました。

尖りすぎることなく、けれどの非日常を味わうには十分な作品の数々。読みやすさと刺激のバランスがとても良い一冊だったと思います。

ぜひ一度、お手に取ってみてくださいね!


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