アニメ映画『アリスとテレスのまぼろし工場』は見るべき? あらすじ・感想・評価をネタバレあり・なし両方でレビュー!

アニメ映画『アリスとテレスのまぼろし工場』は見るべき? あらすじ・感想・評価をネタバレあり・なし両方でレビュー! 映画
この記事は約8分で読めます。

みなさんこんにちは! 映画などのレビューを行っている旅狼のレビュー小屋です!

今回は、アニメ映画『アリスとテレスのまぼろし工場』の感想をお話ししていきます。

『あの花』こと『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の脚本を手がけた岡田麿里さんが自ら書き下ろした、新作劇場アニメ。映画公開に先駆けて発売された原作小説は「・・・」な感想だったので、良い意味でも悪い意味でも気になっていた映画でした。

実際に見てきたからこそわかる評価やあらすじを、ネタバレあり・なしそれぞれで語っていきます。『アリスとテレスのまぼろし工場』が気になっているという方はぜひ参考にしていってください!

原作小説『アリスとテレスのまぼろし工場』の感想はコチラ!


『アリスとテレスのまぼろし工場』のあらすじ

菊入正宗14歳。

その日、彼は仲間達といつものように過ごしていた。突然、窓から見える製鉄所が爆発。空にひび割れができ、しばらくすると何事もなかったように元に戻った。

しかし、そこはすでに元通りではなかった。町から外に出る道は全て塞がれ、さらに時までも止まり、永遠の冬に閉じ込められてしまったのだった。

町の住人たちは、「このまま何も変えなければいつか元に戻れる」と信じ、今の自分を忘れないように〈自分確認票〉の提出を義務とする。そこには、住所、氏名、年齢だけでなく、髪型、趣味、好きな人、嫌いな人までもが明記されていた。

正宗は、将来の夢も捨て、恋する気持ちにも蓋をし、退屈な日常を過ごすようになる。

ある日、自分確認票の〝嫌いな人〟の欄に書き込んでいる同級生の佐上睦実から、「退屈、根こそぎ吹っ飛んでっちゃうようなの、見せてあげようか?」と持ち掛けられる。

立ち入りが禁止されている工場へと向かう彼の先に待っていたのもとは…。


『アリスとテレスのまぼろし工場』 率直な感想(ネタバレなし)

アニメ映画『アリスとテレスのまぼろし工場』は見るべき? あらすじ・感想・評価_ネタバレなし

まずは『アリスとテレスのまぼろし工場』を見終えた率直な感想です。

原作小説からめちゃくちゃ良くなってた!

冒頭にも書いたように、僕は事前に『アリスとテレスのまぼろし工場』 の原作小説を読んでいました。詳細はこちらの記事に書いていますが、一言で感想を言えば「残念だった…」という作品でした。何を表現したいのかわからない、結局どんな話だったのか掴めなかった、という評価でした。

だからこそアニメ映画の方は、「この小説をどう映像表現しているのだろう?」とより興味を持っていきました(もしも狙ってやっていたとしたら策士すぎるが笑)。

結果、「映画を見てよかった!」というのが僕の率直な感想ですね!

まとまりがなく”物語の芯”みたいなものが見えなかった原作小説とは異なり、「好きという気持ち」、「愛」や「恋」という思春期の少年少女ならでは感情、人間の感情がテーマとして見えましたし、物語そのものとしてもとても感動的でしたこのあたりは、やはり映像にしたからこそ感じられた部分なのかもしれません。

MAPPAと声優さんの力

あとは、今回制作を手がけたMAPPAの映像と音楽の美しさ声優さんの演技がとにかくすごい。

主人公の菊入正宗役は、呪術廻戦の虎杖悠仁役などで知られる榎木淳弥さん、ヒロインの佐上睦実役は、鬼滅の刃の栗花落カナヲ役などで知られる上田麗奈さん。榎木さんの自然体の演技、上田さんの緩急のあるお芝居は、他の作品からすごいなぁと感じていたのですが、今回の『アリスとテレスのまぼろし工場』でも健在。本当によかった。

物語の鍵を握る五実役の久野美咲さんは、リコリス・リコイルのクルミ役などで知られている方。無邪気な少女の演技は、映画を見終えたあと、街中で聞こえる子供達の声がみんな五実の声に聞こえるレベル。本当に泣いて笑っているようで、キャラクターの魅力がググッと増していました。

映像化ってやっぱすごいんだなぁ

アニメ映画『アリスとテレスのまぼろし工場』は見るべき? あらすじ・感想・評価_ネタバレなし・原作小説

最近はどんなアニメでも、作画や役者さんの演技が”ハズレる”ことがないと感じていますが(あとは個人の合う・合わないだと思っている)、「原作小説はつまらなかった」が「アニメ映画は最高だった」という衝撃が個人的には結構きています。

これで改めて原作小説を読んだら感想が変わるのかなぁ、とも思うので、今ある積読を攻略し、気が向いたらもう一度原作小説を読んでみようと思います…!


『アリスとテレスのまぼろし工場』 評価と感想(ネタバレあり)

アニメ映画『アリスとテレスのまぼろし工場』は見るべき? あらすじ・感想・評価_ネタバレあり

それでは、ここからはネタバレを含みつつ、『アリスとテレスのまぼろし工場』の評価や感想をお話ししていきます。

ここから先は、『アリスとテレスのまぼろし工場』のネタバレを含みます。

物語の構成と流れ

物語は、街のシンボルでもある工場で爆発事故が起き、それをきっかけにして正宗たちが住む街「見伏」が「時が止まった場所」になってしまいます。

映画ではどれくらいの時間が経過したのか明確に表現していなかったためなかなか感じにくいかもしれませんが、10〜15年くらい経っています。現実世界では、正宗と睦実が結婚し、子供がいるわけですからね。逆に言えば、それほど長い間「変わらないこと」を強いられ続けて発狂する人がいなかったという方がすごいと個人的には思います。。

このあたりの時間経過の描写は、映画ではあまり描かれていなかったなぁと感じました。僕は原作小説を読んでいたので話の流れや”今何が起こっているのか”がわかりましたが、特に冒頭の「工場事故が起きて、のちに”神機狼”と呼ばれることになる煙が出て、街が閉じ込められる」というシーンは、「え、なに、どういうこと?」となる人も多かったのではないかと思います。気づいたら時が止まった街にいる、という感覚を、主人公たちと同じような視点で持ってほしいということなのかもしれませんが、物語の核の部分なので、このあたりはもう少ししっかり描いてほしかったと感じました。

原作小説からの改良

原作小説からの改良点としては、「物語のテーマ」がしっかりと感じられたことだと僕は思っています。

小説を読み終えた時は「ただ作家が描きたい世界を書いただけで、まとまりがない」という印象でしたが、映画では、「好きという気持ち」、「愛」や「恋」、「心の自由」みたいな部分がしっかりと観客に伝わるよう描かれていたと感じました。このあたりは、映像化したからこその緩急、キャラクターの表情、声による影響があるのでしょう。(MAPPAと声優さんたちの凄さはすでに語りましたが!)

個人的には、園部が神機狼に飲み込まれて消えてしまった後の正宗の様子が強調されていたり、正宗とお父さんの関係性がしっかり描かれていたことがよかったですね。小説だとどうもあっさりとしていたように感じたので、こういう一つ一つのシーンの”描き込み”が、映像化する最大のメリットであり、それを存分に活かしていたと感じました。

原作小説から変わってないじゃん!(ここだけ!)

総じて満足できた『アリスとテレスのまぼろし工場』の映画ですが、これだけは小説から深掘りしてほしかった…! というのが、「タイトルの回収」でした。

アリスもテレスも出てこないじゃないか!」というツッコミを原作小説を読み終えて心の中でしたのですが、、映画も出てこないやないかい! しかも映画の場合は、「アリストテレスの言葉」というセリフさえなく、(たしか)「とある哲学者の言葉」として、「希望とは、目覚めている人間の夢である」というアリストテレスの引用がなされていました。

どうやら、当初の作品タイトルが『狼少女アリスとテレス』であり、哲学的な物語にしたいと考えたことからこのタイトルになったそうなのですが、、もう少し本編に関係あるものにしてもよかったのではないかなぁ…と感じずにはいられません。

もちろん、タイトルがあろうとなかろうと良い作品は良い作品なのですが、、タイトルを隠した方がより良い作品に感じてしまうのですよね。。これだけは最後まで引っかかった点でした。


まとめ

ということで今回は、『アリスとテレスのまぼろし工場』の感想をお話ししてきました。

ネガティブなことの方が多く書いてしまったように感じますが、何度もお伝えするように、「見てよかった素晴らしいアニメ映画」であることは間違いありません

映像美、声優さんたちの演技力、音楽、音の迫力、そして中島みゆきさんの主題歌『心音』の素晴らしさ。。これらは劇場で見るからこそさらに魅力が増すものだと思います。

『アリスとテレスのまぼろし工場』が気になっているという方は、ぜひお近くの上映館へ足を運んで、映画館で見てみてください! 自分の「こころ」をもっと大切にしたいと感じさせてくれる、素敵な作品に出会えるはずですよ!

原作小説『アリスとテレスのまぼろし工場』の感想はコチラ!


どのVODが一番いいの?」とお悩みなら、Hulu』か『U-NEXT』で決まり!

Hulu

幅広いジャンルが見放題! 特に海外ドラマのラインナップは全VODでもNo.1との呼び声もあるほど!
海外の作品に興味がある方に特にオススメです!

Hulu

U-NEXT

最新映画からアニメ、海外ドラマ、韓流ドラマまで、見放題作品数が全VODでNO.1! 毎月1,200円分のポイントが貰え、雑誌や書籍など本の読み放題までついています!
1つのVODで日々のエンターテイメントを完結させたい方に特にオススメ!


コメント

タイトルとURLをコピーしました